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答えを与え過ぎていませんか?子どもができる!『時間意識の育て方』

2017.09.11(mon)

「早く勉強しなさい」や「お風呂に入りなさい」「早く寝なさい」など、子どもに行動を促す声がけ。
気づくと常に言ってしまっていると感じませんか。「うちは厳しく育てる」という意識で、こういった声がけを強くしているご家庭もあると思います。しかし、実はこの声がけ、むしろ「甘やかし」なのです。
では、どんな風に言葉をかけていけば、子ども自らが時間を考えて行動できるのでしょうか。

言われる前に行動できる子に育てたい

「〇〇しなさい」という「指示」は、今何をすべきかの「答え」を与えることです。
子どもが考えなくてもいい状況を作っているという点で甘やかしていると言えます。理想は、子ども自身が自ら気付き、考え、その答えを出し、行動をすること。でも、常に「答え」を与え続けてしまって「考える」機会を奪い続けていたら、その理想にはいつまでもたってもたどり着けないことでしょう。

社会に出ると、どのような職種でも必要とされることは「指示が出されなくても行動できること」。指示されないと行動できないうちは半人前です。また、仕事だけでなく、自分の人生をより良くしようとする場合にも、自ら考え、行動できる力は必ず必要なもの。この力を身に着けるには、家庭での過ごし方は大きく影響します。答えを言われる前に考え、行動する家庭に育った子と、そうでない子が社会に出たときの差を想像すると、親として意識を変えなくては、と思わされます。

時間意識を持たせる『問いかけ』

子どもができていないとき、親は何も言うな、ということではありません。言われなくてもできる子になるよう育てるためには、やはり何かしらの働きかけは必要です。効果的な働きかけは、子ども自身が頭を使って考えるように促す「問いかけ」です。また、人生経験の少ない子どもには、何にどれくらいの時間がかかるのかという時間感覚がまだ未熟な点と、それをすべきである理由となる前提の知識が不足しているという点が、サポートすべきポイントとなります。

「今」お風呂に入れば、「早く」寝ることができる。早く寝ることができれば、明日の朝早く起きられる。健康や身体の成長のためにも良い。こういったことを見越して親は「お風呂に入りなさい」「早く寝なさい」と声がけをしています。この親が見越していることを子ども自身が意識して、やるべきことに気付くことができれば親が指示を出す必要はないのです。

「明日の朝は何時に起きるの?」
「何時に寝れば自分で起きれそう?」
「今何時?」
「今お風呂に入ったら寝る時間は〇時になりそうだね。」

子どもが慣れるまでは、細かく具体的に時間に関して質問してみましょう。大人が無意識にしている逆算の過程と、それを意識する目的を問いかける形で詳細に言葉にして声に出すのです。朝起きれるか、遅刻しないかだけでなく、前提の知識として、「睡眠は身体の成長のためには重要なもの」だという根本的な目的の話を丁寧にしてあげることも大切です。

出かけるための準備の場合は、「遅刻しちゃうよ!早く準備しなさい!」という言い方ではなく、もっと時間的余裕のあるタイミングで、「今日何時に家を出ればいいと思う?」「〇時に家を出るためには何時までに朝ごはん食べ終えれば間に合いそう?」「食べ終わった後、家を出るまでにする準備は、どのくらい時間がかかりそう?」などの質問です。そのときに返ってくる子どもの回答に問題があれば、「本当にその時間でできる?」と、実際にかかりそうな時間を教えましょう。このような問いかけを日々繰り返していくうちに、子ども自身に、何にどれくらい時間がかかり、目的を果たすために今何をしなくてはならないのか、ということへの意識が芽生えていきますよ。

安易に先回りの発言をしない

親が「〇〇しなさい」というときの心の内には、子どもが遅刻や忘れ物、提出物の締め切りに間に合わないなど、しなくてはならないことをしないで困ったり、先生に叱られたりすることを避けたい、という思いがあると思います。ですが、実際に困ることで身に染みて覚える、ということもまた真実です。何かができなかったときに自分が大変な思いをするということを子ども自身が理解することが重要です。「〇〇しなさい」という言葉は、子どものそれらの機会を奪っているとも言えます。親はそのことを常に意識して、安易に先回りの発言はしないようにしたいものですね。

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この記事は「ケノコト」にも掲載しています。
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