ママを楽しむ

”怒る”ではなく”叱る”コト『叱り方に自信ありますか?』

2017.07.07(fri)

あぁ。言い過ぎてしまった・・・。

子どもを叱るとき、ついカッとなって言わなくてもいい一言まで言ってしまい、あとで後悔したこと、親なら皆さん一度は経験あるのではないでしょうか。

昨今「褒める子育て」が正しくて「叱ること」はあまり良くないようなことのように取り上げられることもありますが、子どもを叱ることは決して悪いことではないと思います。世の中のルールや人との接し方など子どもに教えていきたいことはたくさんあって、間違えていると感じるときには、何が違うのか、どうすれば良いのか親としての考えを伝え、それでもわからないときには叱ることはあります。子どもの成長や幸せを願っているからこそだと思います。

最近「アンガーマネジメント」がテレビやネットでもよく取り上げられていて、「怒りをコントロールする」技術・方法が注目されていると感じますが、先日私も「お母さんのためのアンガーマネジメント講座」というものを受講しました。

一般的なアンガーマネジメントの基本である「6秒ルール」など、怒りの性質や対処法を学んだ後、3人の子どもを持つワーキングマザーでもある講師の方の経験や考えを踏まえた「叱り方を身につけよう」という内容が、私自身の子どもへの接し方に変化をもたらしました。子どもを叱るときはだいたい平常心を失っていますが、それでも子どもに何か言う前にちょっと思い出すだけで、後で深く後悔するような事態は避けられるようになったのです。

こんな「叱り方」は「本来の目的」を達成できない

叱るとき、その目的は何でしょうか。突き詰めると「次からどうすればいいかを相手がわかること」だと思います。その目的を達成するために、避けた方がよい「叱り方」を知っておくことは役立つと思います。

・機嫌で叱る
機嫌が良いときには見過ごすけれど、機嫌が悪いときは叱る。例えば「ゲームは1日30分」という家族のルールがあるのに、こっそりやっていることに気付いていながら、今日は機嫌がいいから60分くらいまではまあいいか、というような「二重基準」があるような状態です。これでは子どもは、今日は怒られない日かもしれないと考えて、ルール違反を繰り返します。常に一定のブレない態度が、子どもが約束を守ることにもつながります。 

・人格を否定する 
子どもが片付けをしないとき、「片付けもできないのはダメな子」「片付けられない子はママもパパも嫌い」などと言ってしまいがちですが、これは「片付けない」という「行為」ではなく、子どもの「人格」自体を否定することにつながり、子どもが自分への肯定感を育てにくくなってしまいます。「お部屋が散らかっているからなんとかしようか」というように、「片付けをしない行動、行為」に対して、焦点を当てることが大切です。

・人前で叱る
友達や兄弟、周りの人に聞こえるように叱ると、子どもも当然「恥ずかしい」という感情を持ちます。「恥ずかしい」が心の中を占めていると素直に話を聞くことができず、肝心の「何でおこられているのか、次からどうすればいいのか」はほとんど伝わりません。恥をかかせることは目的ではありませんから、落ち着いて相手に一番「伝わるように話す」方法を心がけましょう。私は、人前で何か問題が起きたとき、最低限の言葉でぐっとその場は我慢し、あとはふたりになったときに話すようにしています。ここで大事なのはその日のうちに話すこと。親も子も具体的事象を忘れないうちに話すのがポイントです。 

つい言いたくなりますが・・・それは「NGワード」かも

 

・「前から言おうと思ってたんだけど」
これを言われるとまず聞き手が反射的に否定的になります。そして、思ってたならそのときに言って!そもそも自分はそんなことやってない!という展開に。本当に前から思っていた場合でもぐっとこらえ、今目の前で起きていることに焦点をあてて話す方が、具体的かつ建設的な話し合いができると思います。  

・「なんで○○したの?」
子どもは親に聞かれたから「なぜ僕・私はこんなに悪いことをしてしまったのか?」と一生懸命答えを探してしまいます。でも、まだ小さい頃は理由など無くただ「やりたくてやってしまった」ことが多いでしょう。それをどうにか理由を言わせるようなことをしても、そもそも親は理由が聞きたいわけではないのですから、次からどうすればいいかを子どもが理解することに集中しましょう。 

ただ最近、子どもが小学生になり、なぜそれをしたのかの理由を聞くと実は子どもなりの親切心からやったことだったりする場合があります。大きくなるに従って「理由を聞く」ことはその子を理解するのに役立つので、対話のなかで聞くことは大切だと感じます。

・「いつも」「必ず」「絶対」
これはよく言われることですが、これらの言葉で決めつけると相手は不当に感じ、否定的な構えになります。「いつも」の度合いは個人差があり、このワードを使うとたいがいその「認識差」に言い争いの火種が飛び移ってさらに揉める原因になりますので、使わないことをおすすめします。

叱る本当の目的 

繰り返しになりますが、叱る目的は「次からどうすればいいかがわかること」です。カッとなったときに、これらのことを思い出してから口を開くようにするだけで、不必要な衝突が減り、親も子もラクになったように感じます。感情をぶつけるだけの「怒る」を卒業して、きちんと「叱る」ことで、子どもの前向きな次の一歩を後押ししていけるといいですね。

ーーーーー
この記事は「ケノコト」にも掲載しています。
◼︎ケノコト〜「日常と食のコト」でくらしを楽しくするライフスタイルマガジン〜