ママを楽しむ

この秋こそはたくさん読みたい!『ママと子の読書タイムを作ろう』

2017.09.13(wed)

「本を読みたいのに、ママはいつもお片付けしなさいとか、ピアノの練習しなさいとか宿題しなさいとか言うから、全然本を読む時間がないよ!」
先日、娘に言われてハッとしました。いつも子どもには読書をしてほしい、と思っていたのに、逆にこちらがそれを邪魔していたのだと気づかされました。「しなくてはならないこと」に追われずに、読書の時間をきちんと「作ろう」。そう決めました。

読書習慣と語彙力・読解力との相関関係

子どもに読書をさせたい理由はいくつかありますが、ひとつは、本を読む習慣がない長男が、国語がとても苦手で、会話していて「語彙力がないな」と感じたことがきっかけでした。誤った解釈をしていたり、知らない言葉は都度教えていても、親との会話の中だけで語彙を増やすのには限りがあるものです。低学年の頃は「まだ幼いしこんなものかな」と思っていましたが、高学年ともなると、さすがにお友達と比べても語彙に乏しいことがわかるシーンが増えてきました。

また、国語の長文読解の成績もなかなか向上せず、読解が得意なお友達の読書習慣の話などを聞いていても、これも読書をしていないことが影響しているのではと思いました。実際、OECD(経済協力開発機構)が実施したPISA調査(生徒の学習到達度調査)では、本を良く読む生徒は読まない生徒に比べて「読解力」に優れているという結果が出ているそうです。また、この調査では「読解力」を「情報を読み取る力」「解釈する力」「熟考・評価する力」「様々な形式を読む力」と4つの能力に分けて評価しています。これらの能力は、勉強に限らず、将来仕事をする上でも重要な能力ですよね。

どうやって読書をさせるか

息子のこともあり下の娘には本に触れさせる機会を増やしました。その結果、「本が好き」にはなったのですが「読書をする時間」を意識して持たせることは特にしていませんでした。読み聞かせとも違う、自分で黙々と読む「読書」。習い事や宿題、家のことなどでバタバタしているうちに一日が終わってしまっていた日々を改めて、読書をする時間を必ず「確保」する!と決めました。習い事や勉強以上に、読書にこそ得られるものも多くあったのに、今までこの割り切りが出来ていなかったのです。
最初はハードルを低く、毎日ではなく毎週火・木・土・日の夕食後に20分間家族で本を読む時間を決めました。たったの20分ですが、それでも一定の分量を読むことができます。また、「家族で」ということが重要です。親が読書をする姿を見せるということが子どもにとって本への興味を高めます。私も読みたい本はたくさんあり、図書館から頻繁に借りているのですが、読書時間をなかなかとれないことに不満を感じていたので一石二鳥です。

読書をした後は、それぞれ読んだ内容や感想を言い合います。息子は、読み進めるうちに最初の方のことを忘れてしまって、単に字面を追っているだけとなってしまうことがあります。しかし、読んだ内容を人に伝えるためには、理解していなければ話せないですよね。これをすることはとても国語の勉強になると感じています。子どもが読んだ本が、親も読んだことのあるものであれば、親が感じたことも共有すると、違う視点から見るという感性を育てます。また、家族みな、読みたいジャンルは各々異なります。親が読んだ本の話をすることは、子どもが他のジャンルにも興味を持つきっかけにもなりますね。語彙を増やすには、ひとつのジャンルに偏らずに様々な物を読むことが効果的なのではないかと思います。

本を通じてたくさん擬似経験しよう

読書をしてほしいもう一つの理由は、本を読むことを通じて、子どもに自分とは違う境遇の人の視点を持つことができるようになってほしい、ということです。今後ますます多様性が強まっていく社会で仕事をして生きていくためには、自分とは立場の違う人の考えを推し量る力が必要です。

自分とは違う立場や境遇の人の人生が描かれた物語を読むことが、他人の人生の疑似体験になり、そういう力を養っていけるのではないかと思います。その力の先にはきっと、他者を思いやる心や協力しようという気持ちが生まれていくということも期待して、今日も「家族で読書」を楽しみます。

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この記事は「ケノコト」にも掲載しています。
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