ママを楽しむ

クセがないから子どもも食べやすい『冬の寒さで甘くなる青梗菜で温まろう』

2017.11.14(tue)

日に日に寒さが増すこの季節。からだの冷えから体調を崩しやすい時期でもありますね。子どもたちを体の中から温めてあげたいのが母心です。

寒い季節は、実は野菜を美味しく食べられる季節でもあります。葉物野菜などは、寒さの刺激で味の甘みを増すので、ビニールハウスで栽培している葉物野菜を、一時的に冷たい外気にさらす栽培方法もあるほど。寒冷刺激を与えることで、野菜が身を守ろうとエネルギー源の糖分を蓄えようとするために甘くなるのです。今回は葉物野菜の中から、この時期特に葉がやわらかくなって甘みが増す、旬の「青梗菜(ちんげんさい)」を使って、子どもたちにもおいしい食べ方をご紹介します。

青梗菜はその名のとおり・・・

「チンゲンサイ」という名前から、どこの国を想像しましたか?担々麺に添えてある葉物野菜といえば青梗菜。そう、中国ですね。青梗菜は、中国南西部を原産地とする野菜で、白菜やカブなどと同じアブラナ科に属します。食感はシャキシャキ、ほのかな甘みを持ち、煮崩れしにくく、味にクセがないので中華料理以外にも使いやすく、子どもも食べやすい食材です。また、アクがなく、火を通すと緑色が鮮やさを増すことも、お料理に使いやすい理由のひとつです。名前の由来は、葉の部分が濃い緑色をしていて、芯の部分も淡緑色をしているため、と言われています。

では、日本にはいつ頃渡来したのでしょうか。奈良時代?鎌倉時代?江戸時代?いえいえ、日中国交正常化の頃、1970年代に渡来したそうです。日本では歴史の浅い、新しい野菜の仲間といえます。

青梗菜の栄養価

淡泊な味の青梗菜ですが、ビタミンA、B、Cのほか、カリウムやカルシウム、カロテンが豊富です。カロテンは、油と一緒にとることで、吸収率が50~70%も上昇します。カロテンは強力な抗酸化作用を持つ栄養素で、粘膜や皮膚、免疫機能を正常に保つ、視力を維持するために必要不可欠な成分です。
寒さが厳しくなるこの季節、風邪やインフルエンザなどの流行も徐々にみられるようになりますが、粘膜の強化や免疫機能にも効果のあるカロテンを積極的に摂ることは、感染症の予防にも有効です。食べるものでからだの調子を整えることは、子どもの食育にもつながりますね。

青梗菜を使ったからだがあたたまるレシピ
青梗菜の甘みを引き出して作れる、からだの中からあたたまるメニューをご紹介しましょう。

『青梗菜のミルク炒め煮』の材料と作り方

<材料>
青梗菜       3~4株
にんにく      1かけ
ごま油       大さじ1
干し海老      1パック

(A)
鶏ガラスープの素  小さじ1
みりん       大さじ1
酒         大さじ1
牛乳        200cc
塩         少々
こしょう      少々

<作り方>
1. 青梗菜は芯の部分を縦に8等分、葉の部分は食べやすい大きさにカットします。
2. フライパンにごま油を熱し、みじん切りにしたにんにくを加えて香りが出るまで炒めます。
3. にんにくの香りがたったら、干し海老を加えてひと混ぜし、青梗菜の芯の部分を加えて炒めます。
4. 青梗菜の葉の部分を加え、さっと炒めたら、塩・こしょうをかるく振ります。
5. Aを加え、ふつふつと沸いてきたら、もう一度塩・こしょうで味を調えて完成。

仕上げに水溶き片栗粉でとろみをつけてもおいしいですよ。牛乳を使うことで子どもが食べやすい味になり、苦手な子も多い葉物野菜ですが
「食べてみようかな」という気持ちを引き出しやすくなります。

次はもう1品ほしい!というときにさっと作れる簡単メニューをご紹介します。

『青梗菜のナムル』の材料と作り方

ナムルといえばほうれん草と思っていませんか?シャキッと食感のいい青梗菜のナムルもおすすめなのですよ。

<材料>
青梗菜       大2株

(A)
塩         小さじ1
砂糖        小さじ1
すりおろしにんにく 小さじ1/2
ごま油       大さじ1

<作り方>
1. 青梗菜は縦に四等分し、(A)をボウルの中に混ぜておく。
2. 熱湯に青梗菜を根元から入れ、さっと茹で、取り出したら冷水で冷やしすぐに水気を切る。
3. 軽く水気がきれた青梗菜をしっかり絞り、(A)と混ぜ合わせたら完成。

すぐに作れる簡単レシピですが、仕上げにすりごまをふりかけたり、しらすと和えたりしてもおいしいですよ。ほうれん草が嫌いなお子さんも、クセの少ない青梗菜のナムルは食べやすいので試してみてください。

甘みとシャキシャキの食感を活かして、子どもも食べやすいメニューを
青梗菜は固めに塩ゆでして、水気を絞ったら冷凍保存も可能です。主役にも、脇役にも。とろみをつけると子どもも食べやすくなります。今回紹介したレシピで作っていただいたり、アレンジメニューを楽しんだり・・・旬の野菜の話をしながら、ぜひお子さんと一緒に料理を楽しんでみてください。

文/一門真由美

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この記事は「ケノコト」にも掲載しています。
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