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コーチングのプロが教える『子どもが自ら考え、行動できるようになる声かけの秘訣』

2018.02.14(wed)

外出前の急いでいるときに、出かける準備をしないお子さんに対して「早く着替えなさい!」「なんで準備ができていないの!」と、イライラしながら声をかけてしまった経験はありませんか。後になって嫌な言い方をしてしまったな…と思うこともあると思いますが、急いでいるときや気持ちに余裕がないときについつい言ってしまうことも。
子どもには状況を判断し、自分で考え、自分で行動できるようになってほしいと思っていても、そのような声かけをしてしまうと逆効果になることもあります。子どもが「自分への信頼感」を高め、「ぼく(わたし)ならできる!」と考える自己効力感を育むためには、親の子どもへの声かけはとても大切です。

進級や進学に向い、親子で気持ちの切り替えがしやすいこれからの時期をうまく活用し、子どもが自ら行動ができるように、声かけの方法を見直してみませんか?今回は、子どもが自ら行動したくなる習慣を促す効果的な声かけのコツをご紹介します。

イライラしたり、怒ったりしそうになったら深呼吸

私たち親がイライラすることで子どもが自ら学校に行く準備をする、約束を守るようになるのであればいいですが、実際にはそうなることはありません。もし仮にうまくいったとしても、「親に怒られるから、何かをする」といった条件反射がストックされると、「親に怒られないと何もしない子」になってしまいます。自分で行動できるようになってほしいと言っても、「怒られるからやる」となってほしいわけではありませんよね。
子どもの習慣は、日常生活のなかで身につけていく行動です。園児、小学生、中学生と子どもが大きくなっても親とコミュニケーションをとることは多く、親がどのように話をするか、声をかけるかによって、子どもの変化は出やすいと思います。イライラしたり怒ったりしながら話をすると、子どもに伝わります。子どもが自ら考え、行動できるような効果的な声かけをしていきましょう。

効果的な声かけをするコツと「I」メッセージ

子どもの主体性を引き出す効果的な声かけを行うときには、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。私たち親は、「子どもに幸せになってもらいたい」「将来困らないように自分でいろいろな事をできるようになってほしい」と願っています。子どもへの愛情があるからこそ口うるさく言ってしまうのかもしれませんが、親としての愛情を伝えながら子どもの行動を変化させていく効果的な声かけをするにはコツがあります。

まずは、スモールステップで子どもができたことを「I」メッセージで伝えてみましょう。「I」メッセージとは、主語を「私」にして自分の気持ちを伝えることであり、相手が受け止めやすい情報として伝えることができます。
例えば、今日使った給食袋をランドセルから出した、学校で配られたプリントを渡してくれたなど、当たり前のように思えることでも、行動ができたときにタイミングよく声をかけます。「給食袋を出してくれたので、すぐにお洗濯ができて(お母さんは)助かるわ」「保護者会のプリントを忘れずに出してくれたので(お母さんは)嬉しいわ」など、自分の気持ちを「I」メッセージでお子さんに伝えてください。子どもにとって、親に喜んでもらう、親の役に立つ行動は嬉しいものであり、自己効力感を育むには効果的です。また、子どもが「嬉しい」と感じた行動は、習慣になりやすくなります。『子どもが自ら行動できるようになる声かけ』は、親の意識次第。誰でも簡単に行うことができます。ぜひこの機会に効果的な声かけを試してみてはいかがでしょうか。

親子でオリジナルの「出来ていることを、見える化する仕組み」を考える!

親は、子どものできていないことについつい目がいきがちです。自分ができていないことを何度も指摘されると、子どもは「どうせ、ぼく(わたし)なんか、できない…」と自信をなくし、悪循環に陥ります。そのような状況にならないためには、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。

それは、できないことにではなく、できていることに目を向けることです。すでに自分ができていることを、お子さんが目で見て分かるような仕組みがあれば、自信につながり行動を習慣にしやすくなります。例えば、親子でやることの一覧表をつくり、できたら好きなシールを一緒に貼る、お気に入りのハンコを押すなどです。この仕組みをうまく機能させるコツを2つご紹介します。

1つ目は、一覧表の項目数を年齢の半分に設定することです。つまり7歳なら3つ、10歳なら5つなど。少ないと思うかもしれませんが、これがちょうどよいのです。多すぎるとノルマのようになってしまい、そのうちやらなくなってしまいます。一覧表の下に自由欄を設けておいて、お子さんがやりたいことがあれば記入できるようにしておくのもいいですね。
2つ目は、チェック印や×をつけないことです。できていないことを強調すると、一覧表を見るのも嫌になってしまい逆効果です。できているところにシールを貼ったり、好きなスタンプを押したりするのがおすすめです。そして「今日は〇〇ができたね」「〇〇と△△は、5日も続けてできたね」など、できたことを認める声かけをする。できていないことは空欄になりますが、人は空いているスペースを埋めたくなるという習性があります。それをうまく利用し、そのうち埋めたくなるのを待つ作戦は効果的です。自分ができていることを見える化する仕組みと親による声かけがあることによって、「自己効力感」を育むことに繋がっていきます。ぜひ、お子さんと一緒に『できていることを見える化する仕組み』を考えてみてはいかがでしょうか。

文/プロフェッショナルコーチ 齋藤みずほ
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この記事は「ケノコト」に掲載しています。
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