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子どもの『やり抜く力』を育てる!声かけと環境づくり

2018.11.06(tue)

毎年、年の初めに目標を立てているものの、年末が近づく時期になり、達成できていない項目の多さに愕然とすることはありませんか。子育てや仕事が忙しくても、自分の夢や目標を叶えていくことはできますし、何かを達成する喜びを親子で味わうことができたら素晴らしいと思いませんか。

近年、教育界でも注目を集めている非認知能力のひとつに『Grit(やり抜く力)』があります。Gritは「長期的な目標に向けた情熱や忍耐力」と定義され、IQとは関連のない要素であると考えられています。何かをやり抜く経験は、子どもの自信や自己肯定感を育むことにつながります。今回は子どもの『やり抜く力』を育てる、親としての声かけや環境づくりについてご紹介します。

1.子どもだけにチャレンジさせるのではなく、親も一緒に何かにチャレンジする!

子どもの『やり抜く力』を育む環境づくりに欠かせないことは、子どもにだけに何かをさせるのではなく、親自身も常に何かにチャレンジするという姿勢が大切です。例えば、子どもに「勉強しなさい」「一度決めたら最後までやりなさい」といくら言っても、親自身が何かを学ぶ姿勢がなく、途中で簡単にあきらめるような行動をしていたら、子どもはすぐに真似をします。子どもは親の発した言葉よりも、親のやっていることから学んでいくからです。

お子さんに夢や目標をもってチャレンジしてほしいなと思っているならば、あなた自身も夢や目標を持ち、お子さんにとっての良きロールモデルになってみてはいかがですか。親が何かに挑戦している環境は、子どもにとっても心強く、ひとりではくじけそうになることも、最後までやり抜いてみようという気持ちになります。

2.チャレンジする内容は、子どもが決める!

『やり抜く力』を育むためには、どんなことでも構いませんので、チャレンジする内容を決める作業が必要です。お子さんが好きなことや興味関心を持っていることを掘り下げて、何に挑戦するのかを決めるお手伝いをしましょう。経験の少ない子どもにとっては、どんなチャレンジがあるのか、興味の範囲を広げてあげることは大切ですが、何に挑戦するのかは親が決めるのではなく、子ども自身に決めさせることが重要です。興味がないことを子どもがやり抜くのは難しく、うまくいかない場合には親や他人の責任にすることもあります。

逆に子どもが自分でやりたいと思って挑戦したことは、最後までやり抜く可能性が高くなります。また、最終的にうまくいかなかったとしても、そこから何かを学び、成長することができます。

3.目標設定は「ぐ・た・い・て・き」に!

チェレンジすることが決まったら、それを実現させるために目標を立てます。目標設定をするときに重要なポイントは、細分化し、具体的な行動レベルに落とし込むことです。

何かを学びたい、チェレンジしたいと思っていても、なかなか実現できないのは、目標が明確でなかったり、スモールステップとなる行動ではなかったりするからです。例えば、英語力を身につけたい思っているなら、『読む・書く・聞く・話す』というように4つのスキルに分け、それぞれのスキルを身につけるために、すぐに子どもが行動に移せるような具体的な目標を考えるようにしていきます。目標設定するときは、ぐ(具体的にすぐ行動できる)、た(努力すれば達成可能である)、い(意欲的に取り組めるもの)、て(適切なもの)、き(期限を設ける)の5つを意識し、お子さんと一緒に考えることをおすすめします。

そして、計画をたて実際に行動したら、すぐにやったことをふりかえる習慣をつけると良いですね。自分の行動がどうだったのかを検証し、計画の改善ができるので、子どもが目標に向かってやり抜く経験を積み上げやすくなります。

4.親の声かけ次第で、子どもが変わる!

親の言葉は子どもにとって想像以上に影響力があります。ネガティブな声かけや、人と比べた評価、人格を否定するような発言はNGです。親が発する声かけ次第で子どもの気持ちは変わります。例えば、最後までやり抜くことができなかったときに「飽きっぽくて最後までできないのね」と言われるとやる気が低下します。「今回はここまではできたね。いろいろなことに興味があるけれど、次は少し内容を絞ろうね」というように、ネガティブワードではなく、ポジティブワードで話すようにしましょう。

姉妹でくらべて「〇〇ちゃんはできたのに、なんであなたはできないの!」と言われたら悲しい気持ちになりますよね。「前回(の自分)と比べてどうだったと思う?」というように、人と比べるのではなく、自分のパフォーマンスと比べてどうであったのかを考えさせる声かけを心がけましょう。もし、うまくできなかったとしても「こんなことも簡単なこともできないの!ダメな子ね」と言うのではなく、「うまくいくときにやっていることと、うまくいかないときにやっていることって何が違うのかな」というように、人格を否定するのではなく、行動に焦点があたるような声かけをすると効果的です。

今回は、子どもの『やり抜く力』を育てるというテーマをご紹介しました。
ぜひ、親子でやり抜く経験を積み上げる時間を楽しんでください。

文/プロフェッショナルコーチ 齋藤みずほ
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この記事は「ケノコト」に掲載しています。
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