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季節の行事『年越しの準備』

2018.12.26(wed)

師走に入ると何かと慌ただしく、あっという間に大晦日を迎え、慌ててしまう方も多いのではないでしょうか。クリスマスが終わるまでは、年越しの準備をしないというご家庭も増えているので、年末の1週間が怒涛の日々になってしまうようです。今年こそは、子どもと一緒に楽しみながら、良い年を迎える準備ができたらいいと思いませんか。今回は、手作りだけど見栄えが良いお正月飾りや年越しの準備を、お子さんと一緒に楽しむヒントをお伝えします。

1.年神様をお迎えする準備

旧暦の12月8日は『事始め(ことはじめ)』と呼び、年神様を迎えるために正月の準備を始める日とされていました。江戸時代に入り、12月13日が大吉日とされた日にあたることから、事始めの日として定着していきました。事始めとして、煤払いや松迎えなどがありましたが、現在の住宅事情では必要がなくなっています。その分、年神様をお迎えする準備として、神棚を丁寧に掃除します。神棚に祀られているお札は1年に1度交換します。12月に入ると新しいお札が用意されますので、年末ぎりぎりに新しいものと交換するのではなく、余裕をもって落ち着いた気持ちでお札を交換しましょう。古いお札は、1年間家族を守ってくれたお礼をし、初詣の際に古札所に納めるか、神社でお焚き上げしてもらいましょう。しめ飾りは家に災いをもたらすものや不浄を絶つ願いを込めて、玄関の戸口の上に飾ります。また、年神様は松の木に宿ると考えられており、家の入口に門松を飾ります。しめ飾りや門松は、縁起の良い日に飾り付けます。29日は二重に苦が重なる、31日は一夜飾りと呼ばれ、縁起が悪い日とされていますので、その日を避けて飾りましょう。お子さんと一緒に年神様を迎える準備をしながら、行事に込められている思いを引き継いでいけたらいいですね。

2.短時間で簡単にできる、お正月のしつらえ

年末は、新しい年を迎えるワクワク感と慌ただしさが入り混じる時期です。あまり時間もお金もかけたくないけれど、お正月らしいしつらえを準備したいという方のご要望にお応えし、短時間でできる簡単で見栄えの良いお正月のしつらえのアイディアをご紹介します。まずは、苔玉を使った和テイストの簡単アレンジです。

100円ショップで購入した苔玉をお手持ちの升に入れるだけ!というシンプルなアレンジですが、苔玉や升の質感や色選びが重要です。落ち着いた赤と黒、升の淵が金色になっているものは値段以上に見えます。こちらの升も100円ショップで購入しました。苔玉はいろいろな種類がありますが、フェイクグリーンの苔玉は水やりをしなくてよいので、年末年始、外出が多い時期に重宝します。立体感を出すために升を重ね、和紙と水引を巻き、お正月感を演出したら出来上がりです。簡単で見栄えのよいアレンジなのでおすすめです。
もう少し余裕があるという方は、お子さんと一緒に花餅風の飾りを作ってみてはいかがでしょうか。

こちらも簡単です。100円ショップで購入できる自然乾燥で固まる手芸用の粘土を使います。赤と白の2種類の粘土をそれぞれ丸め、紅白の花餅に見立てて木の枝に挿していきます。木の枝はどのようなものでも構いません。紅白の粘土でつくったものをたくさんつけると和のテイストが濃くなりますので、ご自宅のインテリアに合わせて数は調節してください。粘土は1日乾燥させれば固まります。

3.紋切り遊びで、お正月飾りを作ってみよう!

『紋切り遊び』とは、切り紙のひとつであり、文様に合わせて折りたたんだ紙を型紙通りに切り抜く遊びです。江戸時代には家紋を描く職人のための技術指南書や寺子屋の教科書に紹介されていたそうです。指先を使った遊びは、脳の働きに良い刺激を与えることがわかっています。今回は子どもが簡単に切ることができ、めでたいお正月に合う文様をご紹介します。型紙は書店で手に入れることができます。

左から、『日向爪形光琳梅(ひゅうがつめがたこうりんうめ)』『宝結び(たからむすび)』『光琳松(こうりんまつ)』です。『日向爪形光琳梅』は、にっこり笑いかけるような顔を連想させる梅の文様です。『宝結び』は、連続する無限を表し、永遠の繁栄や多幸などを願う文様です。『光琳松』は、力強い松の生命力を表した文様です。
色紙を半分におり、その上に型紙を重ね、型紙にそってはさみやカッターで切ります。型紙がずれないようにクリップやマスキングテープで固定すると、きれいに切り抜くことができます。はさみでは切りにくい箇所(緑で囲んだ箇所)はカッターを使います。お子さんの年齢に合わせて、カッターを使う箇所を親がかわりに行うなど、親子の共同作業を楽しみましょう。切り終わりましたら、折りたたんだところを開くと、美しい文様があらわれます。

紋切り遊びをした後の切り紋をポチ袋に貼れば、素敵なお年玉袋の完成です。ひとつひとつ心を込めて作成しているので、もらう側も、差し上げる側も嬉しい気持ちになりますね。

折り鶴や切り紋に手芸用のテグスをつけ、木の枝に結び付ければモービルの完成です。ゆらゆらするのを眺めているだけで、楽しい気持ちになります。さらに和の雰囲気を満喫したいのであれば、寸松庵(すんしょうあん)色紙に貼って飾ることをおすすめします。

寸松庵色紙は、古今和歌集の一首を書き写したりするために使われてきた約13cm角の小さめの色紙です。書道具店やインターネットでも購入することができ、1枚50円ほどでお求めになれます。100円ショップの色紙用の額縁に入れれば、見栄えがします。

寸松庵掛けやミニサイズのお軸に飾れば、さらにおもてなし度がアップします。手作りすることもできますし、インターネットで寸松庵掛けは4~500円で、軸は1000円以内で購入することができます。

4.水引でつくるしめ飾り

家に災いをもたらすものや不浄を絶つ願いを込めて、玄関の戸口の上に飾るしめ飾りも、お子さんと一緒に簡単につくることができます。今回は、水引と稲穂をつかったしめ飾りをご紹介します。

紅白の水引は、輪になる部分とまっすぐに垂らす部分に分けておきます。輪になる部分は、形を作りやすくするために、崩れないようにしながら、しばらく巻き付けておきます。巻き付けたものを一旦ほどき、紅白の水引を絡ませながら輪っかを作ります。

輪になった水引、まっすぐに束ねておいた水引、稲穂を重ね、生花用のワイヤーで固定します。上から厚めの和紙を巻いたら完成です。

今回は、お子さんと一緒に年越しの準備を楽しむヒントをお伝えしましたが、いかがでしたか。
どれもお子さんと一緒に楽しくできますので、ぜひ親子でよい思い出になる時間を楽しんでください。

文/食空間コーディネーター 齋藤みずほ
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この記事は「ケノコト」に掲載しています。
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